10GbEの環境も整ったのでまとめてみました。
10GbEネットワーク
今現在、ESXi以外の自作PCは4台構築しており、その全てで10GbEを利用可能にしました。
PCは左から 常時起動のNAS、保存用ストレージ、メイン機、サブ実験機 となっています。

10GbEの製品
10GbEのローカルネットワークだけでどんなものを購入したかを列挙します。
・10Gbps スイッチ 1台NETGEAR XS708E全8ポート10GbE対応のスイッチです。
10GBASE-Tになっている為、一般的なLANケーブル(RJ45コネクタ)との互換があります。
このため、すぐに10GBASE-Tを利用しなくても1000BASE-Tとして利用可能な利点があります。
混在可能なので、自分のように徐々に10GbE化を進めたいという時も助かります。
1ポートはデータセンターで一般的なSFP+との排他利用可能です。
RJ45にPCを接続しつつ、SFP+には帯域の必要なストレージを10Gbpsで接続するような使用が想定されます。
また、特筆すべき点として、NETGEARの期間を定めないハードウェア保証
「ライフタイム保証」の対象になっており、登録しさえすれば、もしものときの安心感は群を抜いています。
自分も利用したことがありますが、サポート対応がよく、とても迅速なサービスでした。
肝心の価格ですが、10GbEスイッチとしては現在最も安価な部類になると思います。
ただし、安価なのでアンマネージプラス・スイッチという区分になっており、
VLANやQoS、リンクアグリゲーションなど搭載する機能を最小限のみ実装しています。
・10GBASE SFP+ LANカード 1枚Thecus C10GT台湾のNASベンダーが自社NAS用に発売したLANカードです。
SFP+とCX4という規格の2ポートを搭載しています。
互換性は当然自社のNASですが、非公式ながら汎用品に利用可能な製品です。
2010年の製品ですので、ドライバはWindows 7 , Windows server 2008に対応しています。
同ドライバでSFP+を現役のWindows 8.1 Proで使用していますが、特に問題はでていません。
Intelチップではなく、Tehuti Luxor TN3020-Dプロセッサを搭載しています。
自分で測定した限りでは、十分な速度が出ています。
ジャンボフレームとしてはMTU9014の上限が多い中、16128が設定できます。
ポートですが、SFP+は一般的ですが、CX4は今はほぼ無いと思います。
そんな仕様のためか、たまに市場に登場し、安価な価格で売られることがあります。
・10GBASE-T LANカード 3枚Intel 10 Gigabit AT2 Server Adapter (E10G41AT2)IntelのLANカードと言えば鉄板の代名詞です。
MBに付いているLANがINTEL製かどうかで高品質として売りになるくらいです。
これはそのINTELが初の10GBASE-T対応として2009年に発売したLANカードです。
初代だけあり、プロセスルールの縮小も進んでいませんのでヒートシンクが大仰です。
性能はさすがのINTEL、当時ではSLCのSSDを使用しても難しかった速度も、
現在SATA3のSSDを使って引き出すことができます。
ただし、仮想化技術のVT-cには対応としながらも、SR-IOVは未対応です。
たまーに、中古市場に安値で下りてくることがあります。
安値とはいえ、一般的なNICとしては高価です。
普通に使う分にはファンが必要になりますが、安値になれば十分価値があるLANカードだと思います。
2枚使用しています。
Intel X540-T1Intelの10GBASE-TのLANカードの進化版です。
2012年発売と比較的新しいLANカードになります。
カードはコンパクトになり、すっきりとした印象になりました。
旧式より、消費電力、スロット幅が優位です。
VT-cはSR-IOVも対応となりフルスペックというところでしょうか。
旧式が最新のESXiのサポートリストから外れたこともあり、
これを買っておけば困らないかなという感じです。
10GbEのLANカードを買う人はやはり帯域を一手に担う役割を求めると思いますので、
2ポート仕様の
intel X540-T2
のほうが人気があるかもしれません。
性能は当然申し分ない速度がでます。
ただし、価格が
高いです。
新しく現役なので中古に出ることもほぼありません。
個人的に色々試した結果、速度だけ求めて物理端末に挿して構築という運びになりました。
1枚使用しています。
・SFP+ダイレクトアタッチケーブル 1本D-Link DEM-CB300SSFP+ダイレクトアタッチケーブルです。
NETGEAR XS708E
と
Thecus C10GT
を接続する為に使用しています。
SFP+は高価なモジュールと光ケーブルを接続する形態がありますが、
安価に済ましたい場合は、モジュール接続済みのダイレクトアタッチケーブルを使用します。
銅のため7m以内と距離が稼げない欠点がありますが、家庭使用では問題になり辛いと思います。
そもそもスイッチのすぐ近くにストレージは置いています。
まぁ、距離を離す場合でも10GBASE-Tにするほうが安価になるのでそちらのほうがいいでしょう。
このダイレクトアタッチケーブルは価格の変動が激しくてガクンと下がったりしていたので
狙って買えばそれなりに安く購入できました。
まぁ、狙わなくてもNETGEARの製品は安かったりするのでそちらでもいいかもしれません。
今回はうまくいっていますが、製品によってはベンダーロックや相性の話があると聞くので
確実性は10GBASE-Tに劣るところかと思います。
・LANケーブル(RJ45) カテゴリー7 4本SANWA SUPPLY KB-T7-05NV10GBASE-Tはカテゴリー6でも最大37mでも接続可能とされていることから
個人利用では無理に上位のカテゴリーを買う必要性は無いように思います。
しかし、大手量販店には大々的にカテゴリー7がずらっと並んでいます。
一見よさそうですが、シールド・ケーブルは正しくアースをとらないと、
静電気などで逆にノイズの発生源になるという話がありますので注意です。
しかしながら、せっかくの10GBASE-Tですし、カテゴリー7を買ってみたくなるものです。
これは5mのカテゴリー7のLANケーブルです。
このケーブルにはS/FTP (ScTP)と記述されています。
持っているケーブルで一番太いです。
シールドの厚さを実感できる一品です。
これがメインです。
3本使用しています。(上図の右から3本、うち2本は3m品の
KB-T7-03W
)
ミヨシ TWC-703WH若干取り回しが良くなる3mのカテゴリー7のLANケーブルです。
このケーブルにはS-STPと記述されています。
SANWA SUPPLYのも3m品
KB-T7-03W
と取り回しは同じくらいです。
カテゴリー7のLANケーブルは10G使用以外でも複数購入しています。
その中で1本反応が微妙だったので、SANWA SUPPLYのほうがいいかなぁ
という気持ちになりました。当たり外れだと思いますが。
1本使用しています。(上図の左1本)

10GbEの費用
PC以外にかかった上記の費用です。
中古で購入したのは
Intel 10 Gigabit AT2 Server Adapter (E10G41AT2) 
のみです。
値下げの頃合を見計らって購入していたりしますので、参考程度になればと思います。
全て税込みです。
スイッチ
NETGEAR XS708E
\87,800
LANカード
Thecus C10GT
\22,954
Intel E10G41AT2
\29,800
Intel E10G41AT2
\29,800
intel X540T1
\44,858
LANケーブル
SANWA KB-T7-05NV
\ 2,240
SANWA KB-T7-03W
\ 1,545
SANWA KB-T7-03W
\ 1,545
ミヨシ TWC-703WH
\ 1,560
SFP+ DAC
D-Link DEM-CB300S
\ 7,545
------------------------------------------
合計 \229,647
ということで、約23万ほどかかっています。
合計額としては高いですが、ひとつひとつはやっと手が届くような値段帯になってきている印象です。
とはいえ、まだまだ普及するには時間がかかる値段ですね。
10GbEの費用対効果
まだまだ高くつきますが、その効果はただ一点において叶えられます。
得られるもの・圧倒的な速さ何よりも速さが足りない!
SSDが500MB/sに到達しているのに、100MB/sのネットワーク速度では快適さが得られません。
いくら単体が速くても協調しなければ意味がありません。
全てそろえた結果、全台ローカルのような速度でアクセスできます。
・余裕の帯域バックボーンの帯域を増やすのが使いどころでしょうか。
最近ではUSB3.1の足音が間近に迫っているので
LAN越しで外付けストレージにアクセスして遜色ない速度が出せるといい感じですね。
考慮が必要・ストレージの速度結局ストレージの速度を考えることになります。
当たり前ですが先に十分な速度がでるストレージを考える必要があります。
SSDを搭載したPC同士だけという場合は必要ないですけどね。
・騒音対策10Gスイッチは気になる程度のファン音がします。
サーバーの常時起動と同じくらいです。
・消費電力・熱SFP+以外は総じて消費電力が高いです。
消費電力が高いこともあって、10GBASE-TのLANカードは結構熱いです。
冷却の考慮は必要です。
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長々と買い足したりしていましたが、とりあえず落ち着きそうです。
とはいえ、実は保存用ストレージがどう運用するかは仮の状態です。
記憶域で遊んだ後はなぁなぁで使っています。
ちゃんと活かせるようにRAIDを組むなりしようと思っています。
さてハードウェアのほうですが、何よりスイッチの更なるコンパクト化をしてほしいなぁというところです。
一方で既に価格の安いLANカードも出てきています。
また、10Gを内蔵するSoC「Xeon D」シリーズや、ハイスペック品に10GBASE-Tが載ってきています。
少しずつですが普及の兆しが見えるのかなぁと感じます。
これらの製品は10GbEを運用する上で仮想化を睨んでいるとは思うのですが、
ESXiでちょこっと使った感じでは単純な構成のほうが使いやすかったので今の構成に至ります。
iSCSIで使うとまた違う評価になるとは思うのですが。
デスクトップは満足したので
次はコンパクトな方面ですかね!!
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